- 2012.05.12 Saturday
コミュニティ作りのキーワード「学び、癒し、楽しみ」
「協同の発見」4月号で2012年2月11日〜12日にNPO法人ワーカーズコープとこども未来財団の主催による第三回全国子育てフォーラム 新しい地域の再生と子育て支援〜被災地でつなぐ輪〜の報告が掲載されていました。
このなかで記念講演をした 汐見 稔幸さん(白梅学園大学学長)の「新しい地域の再生と子育て支援」という講演の内容が面白かったので紹介します。
内容を私なりに要約します。
【内容】
そもそも「地域」とは何を意味するのかを翻訳語(regionとcommunity)から考
えていき、地域の成り立ちと変容について論じています。
そして人々がどういうニーズがある時に結びつくのかということを考える際に、
参考としてロンドンプレイという運動を紹介しています。
これはロンドンの町の道路をもう一度、子どもたちとその地域住民のために取り
戻そうという運動です。
道路とは元来通行するためだけでなく、おしゃべりしたり交流したりする場所だっ
たのですが、いまや道路は自動車のためだけに使われていて、歩くのも気を付け
なければいけない場になっています。それがおかしい!という発想で始まったの
がロンドンプレイの取り組みです。
曜日を決めて子どもや地域住民のために道路を解放、そのための迂回路や警察と
の掛け合いをNPOと一緒にやります。そこで地域の様々な方たちが遊んだり、
食べたり、音楽したり、おしゃべりしたりします。
また、大阪市難波の應典院というお寺の取り組みを紹介し、かつてお寺が「学び、
癒し、楽しみ」を担う場だったこと、それを実践する取り組みを紹介しています。
「学び」といっても難しい講演会などではなく、みんなで集まってわいわいする
おしゃべりでよい。たとえば放射能が心配ということについてみんなで集まって
話を聞いたり議論したりする場をつくる。集まって不安を話すことで癒され、楽
しみの場にもなっていく。それを特定の年齢だけでなく3世代交流でやっていく
ことがまちづくりのうえで重要だというお話です。
ロンドンプレイや應典院の取組を例にして、単に「昔の地域を再生する」という
ことではなく、「学び、癒し、楽しみ」の3つをキーワードに新しい支えあいの場、
新しい地域というのをつくりだしていくことが提案されていました。
・・・・
私の好きな活動に「国境無きナベ団」という路上や公園などでナベをして、通りがかる人や友人などと共にナベを食べる活動があるのですが、まさに「ロンドンプレイ」と近いものがあると思います。
わたしは居場所づくりにとても興味があるので、「学び、癒し、楽しみ」というキーワードはヒントになります。今、地域のカフェの閉店時間を利用した居場所づくりやコミュニティの可能性を探っているので、これをヒントに実践を進めていきたいと考えています。